臼田輝くんからのプレゼント【輝ひかる-いのちの言葉-】

~重い障害、彼らは言葉をもっている~

 朝日新聞を読んでいて、心奪われた記事。そこに書かれている”ことば”に、衝撃がはしりました。先月、この記事を読んですぐに紹介されていた本を注文しましたが、反響が大きく品切れとなっており、本が手元にとどくまで約1ヶ月待ちました。その本は、【輝ひかる-いのちの言葉-】。

 この本に綴られているものは、重い障害の少年、臼田 輝くんが遺した言葉の数々と、それを可能にした奇跡的な出逢い。輝くんの壮絶な生き様、そこから生まれた美しい思想、、美しい祈り、美しいことば、美しい生き方・・・これを、伝えずにはおられません。

 臼田輝くんは、1993年東京都港区生まれ。1歳の誕生日直前にマンション5階から転落し、生死の境から脱したものの 頭部外傷による、四肢体幹機能に重い障碍を負います。筋肉一つ自由に動かせない、ねたきりの生活が始まります。愛育養護学校の小学部に入学した輝くんは、当時理事長だった津守先生との間で、絵本を読む等のお話の時間を持つことになり、そのお話は、絵本から旧約聖書へと移り、輝くんの小学生とは思えない深く熱心な聞き方が、津守先生の熱意を引き出し、在学中継続されました。

 その後、輝くんの中に内在する言葉を、文字で表現する事が出来ると感じ取った方が、国学院大の柴田教授=障害児教育=と輝くんを繋げます。柴田教授の、かすかな体の動きを拾う特別のスイッチがあるパソコンにより、輝くんがもつ言葉の世界を知ることができ、表現を可能にしたのです。

 輝くんは、自分と同じように障害が重いために言葉を理解できないと考えられていた人々も、実は言葉の世界をもっていると、社会に伝えたいと願い続けていました。 輝くんが遺した言葉を、一部抜粋させていただきます。

   

   のぞめばかならず とびらはひらかれるということが しょうめいされました。

   うしなわれたかこは もどってはきませんが

   のぞみにあふれたみらいがあることが すばらしいです。 

   くなん それはきぼうへのすいろです。

   けっしてあきらめてはいけないということを おしえてくれます。

   てのなかに うつくしいていねんをにぎりしめて いきていこうとおもう。

   うつくしいていねんは しんじつそのものです。

   くるしみのなかで ひかりかがやいています。

   てのなかにあるしんじつは さいわいそのものです。

   のぞめばいつでもてにはいりますが、だれもこのことはしりません。

   なぜならにんげんは つねにらくなみちのほうをこのむからです。

   いきるということは くなんとなかよくしてゆくことなのです。   

 

 彼の美しい言葉の世界は、高村光太郎の詩のように、美しく心地よく、そして胸に深く突き刺さります。輝くんのことばを読むたびに、彼の祈りと彼の魂を自分の内側にとりこみ、彼の生き方、想いを自分のものにしたいと 思うのです。この本が手元に届いたのが、私の誕生日前日でした。 私は、会ったこともない輝君に、最高のプレゼントをもらいました。 ありがとう、輝君。

 時々、その本を読んだ事で人生が変わることがありますよね。私にとって、輝くんの本がそれです。頑張っている自分にご褒美をあげたいあなたへ。輝君の遺してくれたことばは、いまを一生懸命に生きている私たちを応援してくれることばでもあります。どんなに心がすさむ事が目の前にあっても、心に愛を取り戻してくれます。

  輝くんは、2009年、志半ばの16歳で 天に召されました。残念でなりませんが、貴重な死をもって、訴えかける力が強まることに、ここ最近ふれることが多い気がしています。

 先日の朝日新聞天声人語に、山形県の劇作家で、震災復興にエールをこめた新作を手がけた山崎誠助さん(100歳)の言葉があり、引用させていただきます。

    命に限りがあっても、人の心や魂は『永遠』を きざむのではないか


 亡くなった方の 心と魂を、生きているわたしたちが感じとり 永遠のものとしたい。

  輝くんの母親 真左子さんがこの7月、大東文化大学で教育学を学ぶ大学生を前に語ったことです。
  「息子が幸せだったのは文章を残せたことより、重い障害があっても、一人の人間として向き合って下さった方々がいたこと。子どもの前に立つ皆さん、その子の目の輝く瞬間を、どうか見逃さないでください」


 本は「輝 いのちの言葉」。千円。お問い合わせは愛育養護学校の「輝編集委員会」(03・3473・8319)

 

 

 

  • 2012年11月03日 09:30 / Comment(9)

コメントありがとうございます

佐藤 泰

今回の記事は久しぶりに良かったです。(笑)

感動しました。

私も和美さんと少しだけ似たような正観氏に対して批判的な記事を書いているのですが、その正観氏信者からのバッシングが激しく、もの凄いストレスを感じます。もうウツになりそうなくらいです。

和美さんは正観氏だけでなくまるかん記事も書かれてるので、そのストレスは相当のものと思います。 そういったストレスをどのように解消されてますか?

できれば参考にさせて頂きたく思います。

人間って弱いものでして、まさか私が意外にもやわな愚か者である事を自覚しております。

和美さんに対して批判も私以上にあると思うのですが、それに対して精神的に健全でいられる方法を伝授して頂きたく思います。

  • 2012年11月03日 10:51:13

投子

輝くん…すごい方ですね

いきるということは くなんとなかよくしていくこと

短く優しく 美しい言葉で 伝えてくることの 大きさ

まだ少年といっていいくらいの彼の言葉にあたまがさがります
残酷なニュースを見てばかりな気がするこの頃
そしてイライラしたりむすっとすることもある自分

すごく心洗われる紹介でした
ありがとうございます

  • 2012年11月03日 18:07:14

権限がありません

このコメントを閲覧する権限がありません。

  • 2012年11月03日 22:26:53

長澤智子

[涙][ありがとう2]
感動しました!

  • 2012年11月04日 00:30:44

Kazumi

codein4さま
風邪でダウンしてました[苦笑い]お返事おそくなりました。
このストレスは、本当に独特ですよね・・・。松田優作さん時代から感じられていた、直球の包み隠さない言葉、それゆえに、codein4さまへのバッシングも厳しいものになっていらっしゃるかもしれませんね。個人的には、まるかん関係者よりも、正観氏関係者からのバッシングの方が、言葉も言い回しも、かなりキツイ感じでした。批判されるたびに、図太くなるしかない、自分を信じるしかない・・・と感じていきましたが、それがまた、ピリピリ感に偏ってみたり(笑)浮き沈みがありながら修正していきました。参考になるかはわかりませんが、また、記事で書いていきますので、宜しくお願い致します[ありがとう1]

  • 2012年11月07日 00:03:54

Kazumi

皆様、ありがとうございます[ラッキー]辛い事があると、そのお陰で、美しい言葉、清らかな言葉がより光り輝いて、心に染み入りますよね。

ということで、わたしたちの、苦難に、ばんざーい[拍手][拍手][拍手]

  • 2012年11月07日 00:08:41

佐藤 泰

和美さん

ありがとうございます。マルカンよりもやはり小林正観のほうがひどかったのですね。

小林正観のファンって本当に彼の教えとは真逆の事をしてきやがるからもう私のストレスは
マックスに達してきてます。(笑)

和美さんのお風邪 早くよくなるように心よりお祈り申し上げます。

この場をお借りして自称小林正観の友人を名乗る偽善者と、(てめえ。ぶっころす)などと暴言を浴びぜたマルカンの女部長とやらに和美さんのかわりに私から一言いっておきます。

われ!何ぬかしとるんじゃ!このボケ!

  • 2012年11月07日 12:43:36

小田美幸

絶対買います[びっくり]読まないといけない気がしました[びっくり]今健康である喜びに感謝はしているものの大病をしないと、そんな現状に陥らないと気が付かない本来この感謝感謝の命を改めて輝くんから教えてもらおうと思います。輝君の遺した言葉を噛みしめようと思います。
そしてtakae930さんの一括もありがたく受け止めさせていただきました[ひらめき]ハッとさせられました[びっくり]

  • 2012年11月09日 16:20:56

Kazumi

codein4さま 私に代わって 一喝!ありがとうございます。ご縁いただきましたので 支えあって、役割果たしましょうね。 よろしくお願いいたします[ありがとう1]

  • 2012年11月18日 18:27:37

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