【お返事レター】あなたがそこでやり残していること
突如困惑する状況に陥ってしまったとき、今までの環境を手放し、新しい場所で次なる挑戦をすることが自分にとっての良き道となるのか、それとも、手放すことが容易にできないのであれば迷いのある自分の直感を信じて、今までの環境でやり残していることはないかを考え、それに挑戦することを良き道とする。どちらにすべきか、決めかねることはよくあります。
思いっきり環境を変えることが怖いのであれば、まずは、今いる場所で挑戦をする。それをした後、自分が次のステージへ行くかどうかを決めても良いのではないでしょうか?
まずは、自分にとって挑戦が楽な方を選んでみる、という作戦もあるのです。
ご質問をいただいた彼女には、一つの方向しか示されなかったのですが、さて、彼女のご決断はどうなるのでしょう。ご質問は非公開ですが、ご自分のことと重なるメッセージもあるかと思います。共有させていただきましょう。自分に潜在的に備わっている力を低く見積もっていると、窮地によって、その力を発揮させられるよう導かれることもあります。彼女も私たちも、もっと生かされ、輝きますように。
お返事レターをご提供いただき、心より感謝いたします。
【ご質問】 非公開
【お返事レター】
現社長は、あなたのこれまでやってきたことを非難し機嫌を悪くし、“パワハラ”らしきことをしているのではありません。あなたがご自身でもおっしゃっている通り、現社長はあなたを頼っているのです。現社長は今回の一件で自分が非難され、自分の管理能力を問われ、自分自身が周りの従業員たちから非難されているのではないかと思い、不安で不機嫌でびくついているのです。“自分の居場所を失うのではないか“と。
しかし、あなたは今回の不意打ちのような出来事に対しての捉え方が現社長とは違います。これまでの自分の会社での在り方や働き方に、とがめられるような要素は何もないと強気なのです。だから、あなたは自分だけを責めるような周りの無能さや無知に対して怒りを抑えられないのです。
さて、突如訪れた予想外の出来事に、あなたはどう対処すべきでしょうか。いえ、まず今起きていることが予想外の出来事かどうかを見つめてゆきましょう。あなたがぬくぬくと過ごしていた会社での在り方や働き方は、もはや時代にそぐうものではないでしょう。ぎすぎすし、ピリピリするようになった会社の在り方が今は当たり前の時代でもあるのです。確かに、あなたのように優遇され、しかるべき権利を与えられるような人たちも大勢います。けれども、あのままずっとぬくぬくと何も困らずに過ごすことが、あなたにとって本当に幸せだったのでしょうか?その答えは明確でしょう。運の良い状況や環境を与えられたものが、ある見方からすれば不幸であることもあるのです。
あなたには、このような状況が来た時にどう対処すべきかを考えておく時間はたっぷりとあったはずです。
あなたは、居心地の悪くなってしまった今の会社から離れようと考えるかもしれませんが、それは、あなたにとって敗退を意味します。その道は、あなたの隠居生活とも言える道なのです。
あなたは自分でも解っているでしょう。この会社を辞めれば、いま居心地は悪いと言いながらも、自由がきき思うように動かせる会社と今の自分に見合った立場を、二度と得ることが出来ないであろうと。
あなたがもし、このまま居心地の悪さに負けて会社を辞めることを選べば、あなたは新天地において“挑戦”することを選択しません。穏やかに、無難に、静かに過ごすことを選ぶでしょう。しかし、今の会社にこのまま踏ん張って残れば、穏やかに無難に静かに過ごすことは出来ません。
あなたに残された道は、一つしかないのです。あなたに選択肢はありません。あなたは、自分がどうするか決める立場にいると勘違いをしているようですが、あなたの残された道とは、これまで数十年いた会社を辞めず、これまで自分の思うようにやってこられた会社と社員に対して、ご恩返しをすることです。それは、関わる人たちの参謀役を買って出ることを意味します。
あなたは幸運にも、社会的に許される範囲で好きなようにやってきた働き方に、社員に憎悪を感じさせるほど怒りを与えてはいません。これは、自由を失ったかのように見えるあなたの、これからの働き方に制限が思いのほかかけられないことを意味します。社員は、あなたを“強気の人”と捉えているでしょう。“わたしだったら、そのようなことは平気で出来ないけれど、その役職と働き方を若いうちから掴んだくらいの人だから、自分への信頼によって、彼女はわたしには出来ないようなことを当たりまえの権利だと平然と出来、その自信によって、より一層それを咎められるようなこともなく過ごしてゆける強い人”と思うのです。
あなたと同じように、自分にはそれを与えられて当然だと思うような社員が他にいれば、あなたは彼らによって無能だと足を引っ張られ、蹴落とされていたかもしれません。
あなたは、これから会社(社会)に貢献します。それを全力でしなくてはならないほどの窮地を今あなたは感じさせてもらっているはずです。あなたは会社に“しがみつかなくてはならない”のです。
選択肢のないあなたにこれから求められていることは、以下のことです。
●会社の利益を今以上に出すことによって社会貢献の道を社員に歩ませ、会社と社員の価値を引き上げること(もちろんオーナー、現社長にも)。
●会社の存続をどのような形にしてゆくかを考えること。
●人の反応を見て腹が立ったら、自分に非があると考えて自己修正を試みること。
以上です。
これまで自分でしてきたことに権威あるものから注意勧告があったとしても、“責められるようなことは何もしていない!”と誰一人味方がいなくても強気に自立心をもって言い切れるのがあなたであれば、あなたは、今の状況を誰かのせいにしてみたり、萎縮して見せることはしてはならないのです。さらなる自信を自分に見せることこそ、自己価値の高さを証明することとなります。
『あなたたちが、わたしが正しいと思ってしてきたことを、細々と指摘してゆくことが個人や会社や社会の発展と本気で思っているのであれば、わたしがそれを覆してやる!自分の正しさを証明してやる!』といきり立って良いのです。尽くし方も恩返しも、強気でやってください。
あなたが居心地の悪くなってしまった“小さなことの指摘の連続”を、くだらない!と一蹴出来るような仕事の在り方を、あなたはこれから示せばよいだけなのです。
あなたはこれまで、自分の価値を高く持つことによって、運の良い現象(今の会社でのポジション)を引き寄せてきたのです。あなたがこの仕事を得た理由(得た方法)は、自己価値の高さに尽きるのです。
しかし、あなたの自己価値の高さが、時に社会にとっての凶器になります。現社長は、現社長の判断で、あなたのしてきたことを咎めずむしろ了承していたはずです。それは、現社長の自己価値の高さによる揺らぎない判断力によって行われてきたのではなく、“これをすること、与えられることは、わたしたちの当然の権利だ!”と毅然とした態度でいた、あなたの自己価値の高さで、現社長はそれを問うべきことではないと判断できたのです。
全てあなたが基準であったとも言えます。それを、まるであなたが完全に間違っているかのように指摘した、あなたよりも絶対的な権利と支配力を持つ組織が示したから、事は厄介になったのです。厄介になったように見える、とも言えるでしょう。あなたの判断では、それは犯罪でもなく絶対的なごまかしでもなく、許される範囲の権利の主張とも言えるものでしょう。彼ら組織の役割は、あなたたちを不安にさせ、あなたたちが創り上げた権利さえも奪うことであるとも言えるからなのです。しかし、彼らの組織は秩序を守るために必要です。
しかし、それとあなたのこととは別問題。ここで、あなたが(自分が相当間違っていたと思わすように)ひるんでしまえば、現社長は、やはりあなたが正しかったのではなく、これから頼れるものがいなくなったと不安になるのです。それは、つまり、現社長の、自分の居場所がなくなることへの不安にすり替わってゆくでしょう。自分の保身に精一杯な現社長に囚われてゆくことが、あなたにとっての建設的な作業ではないことは明白です。
あなたは、今回の問題を、指摘してきた組織に対して安全に対処しようと仕事をするのではなく、誰にも頼らず、今までよりも賢く、ギリギリ問題とならぬような対処法を編み出すよう知恵を生かし、説明力を培い、社会的な支配に抵抗しながら、社会的な役割を果たし、他の連携する組織や国にメリットや利益を与えるのです。
ということで、今、すべきことはただ一つ。
ひるまない。挑戦する。それは自分が自分の価値をもっと高くするため。
あなたは今以上に自分の価値を高めるチャンスを得たのです。一歩たりとも退いてはなりません。ひるまず前進するのみです。
これから新しい事業を展開してゆくことを求められるのは当然です。それを行うことは結果的にあなたの保身さえも意味します。あなたが自己価値を保ち、より高めるうえで考えてゆかなくてはならないものです。その答えは出しませんが、ヒントは、今活用しようとしている資産をどう生かすかです。あなたもネックになっている”事業をするには、今から沢山の人を雇い教育しないといけない。今の年齢でこれから事業運営が出来るか自信がない“と言う言葉からその答えは見つかります。そういった形を選ばなくても、もっと楽に、より多くの人がメリットや利益を分けあえるよう、それを最大限損失のないように生かし、さらなる発展として今の事業内容だけではなく正業の事業を作って、継続して会社を残す方法を探すこと。要は、あなたの知恵を絞ること。
あなたはまだ、全力で知恵を絞りだそうとしていません。今の会社に、ここにいるしか道がない!と決まれば、あなたはそれに突き進むはずです。あなたに残された道は、あなたが真に光り輝き本領発揮する道なのです。
椋木和美
- 2015年02月10日 19:43 /
Comment(0)
コメントありがとうございます
- コメントはまだありません。