~お返事レター~
小さな子どもさんは、(良いものの悪いものも)霊的な存在がみえることがよくあります。
これは、100%お子さんに正真正銘の悪い霊が見えています。
さて、今そう聞いて、あなたはどのような反応を示しましたか?まずはその感情を母親として自己分析する必要があります。もちろん、自分自身の感情を、です。
恐怖心、不安感、どうすればいいのかわからず誰かに頼りたい、「嫌だ、嫌だ、怖い、怖い」とつぶやき続ける、なぜそんなことになるのかと怒りがわく、それとも笑って『本当に??』言いたくなる、疑う…。
“お子さんが悪い霊をみている”そう答えを得たならば、あなたは一体どうするでしょうか。
それを、冷静になって考えてみてください。今度は、あなたが思い描いた、具体的な対策案であり行動です。
さすがに引っ越しは出来ませんので、塩を部屋の四隅に盛り、家を見てもらいお祓いをしてもらいますか?それとも、人に相談して解決策を模索しますか?
実は、霊的な存在が皆無である土地、家というのはあまりありません。むしろ、多くの土地や家に、霊的な存在は浮遊し、通り過ぎています。
こどもさんは、とても“いま”感受性が強いようです。
そして、不安が大きい、または常にあるようです。
この不安こそが、実はこの案件では重要な項目となります。こどもさんが霊を見て怖がるという現象は、大元にある心の中の不安のひな型として、怖がり不安であることに対処しきれないという問題があるのです。
こどもさんは、何にそんなに不安なのでしょうか?
例えば感受性の強いこどもさんが不安などのコントロールしきれない感情を出したとします。
そこへのいまの周りの反応が、(どんなに親身になってあげたとしても感受性の強い)こどもさんの不安を解消し、満たし、安心させる方向へ向かわせてくれないものが多いようなのです。
つまり、それがどういう反応かといいますと、こどもさんの不安や心配や怖さを、例えば笑って『だいじょうぶ』と言ってしまう。または、たいしたことはないとあなたがたが判断して訴えや感情を聞き入ることなく取り合わない。そうされて安心するこどもさんも多くいます。しかし、感受性の強いこどもさんは、自分の不安恐怖などの満たされない気持ちを処理できないどころか、相手にされないと不安を募らせます。こどもさんとしては、どのような感情も一生懸命伝えたいものなのです。
こどもだからという感覚で大人に適当にされると、こどもさんはとても不安になります。自分の話も訴えも感情も、重要に扱ってくれていないように感じるのです。どんなに良い対応をしていても、どこか子どものいうことだから適当にと相手をしてしまうと、こどもさんの不安は本来の不安から形を変えてしまい、不安を訴えても相手にされず解消されないことに対しての不安にすり替わってゆくのです。
いま、そういう状況になりつつあります。
こどもさんは、そのような自分の状況に危機感を感じて、多くのことが不安要素に変わり、膨れ上がっています。
自分が絶対的な力と完全なる味方によって守られているという感覚を持てないことで、恐怖感を感じやすくなると、物音に過敏になります。暗いところが非常に暗く淀んだ空気と感じます。見たものの残像が映し出されるとそれが何かに見えたりもするのです。
過敏さはさらなる過敏さを創り上げます。すると、恐怖したことが見えたように創り上げてしまいます。
満たされない不安によって、常に不安を感じるようになります。
それが、映像としても創り出され始めるのです。
つまり、あなたの対策としては、こどもさんが訴えることに真剣に聞き入ることです。
あなたはいま、ぼんやりと聞いているようにこどもさんには見えています。あなたはそれを集中して聞き入っていないように、見られているのです。そして、こどもが言っていることをこどもの言っていることとして本気になって取り合わないような周りの環境を感じ続けているのです
あなたが出来ることはたくさんあります。
こどもさんの話は聞いているはずです。そのアピールをしてあげましょう。こどもさんがきちんと聞いてもらっていると安心させるためにです。相手は感受性が強いのですから、それは功を奏します。
そして、問題を自分自身でどう対処してあげればよいかを本気で考えて、こどもさんを安心させてあげる方法を自分で考えるのです。誰かに聞こう、相談しよう、それでも構わないのです。しかし、それを聞いてみる前に、あなたの考えを確認し表明しましょう。
これは、こどもさんの心を満たすための対処法ですが、行き詰っているあなた自身への対処法でもあるのです。
あなたが自分の意見を起こし、確認し、表明し、行動し、成果を得て、自信をつけ、他者との交流から自分を知り、学び成長するという“あなたを生きる”という作業に直結しています。
あなたはいま、社会で人に関わるとき、あまりに安全にやり過ごそうと、自分を生きるという作業から遠ざかってしまっています。
人の意見を聞き、人の反応を見て、周りの求める生き方を模索し、周りとの兼ね合いを第一に考え行動し、自分の想いがわからなくなるのです。それは、あなたが一番波風立てない安全な生き方と感じてきたからでしょう。
自分の意見を表明しないため、あなたは何を聞いても本当の自分の意見を隠して言わないように見られます。自分で決断することを避け、誰かにその決断を任せてしまい、あなたという個性の主体性を完全に消し去ってしまおうとしているのです。
そのように、常にかかわっている母親が心を表出せず、本音や本気で対応してもらえないことの連続と積み重ねが、こどもさんの不安を起こしたきっかけともなるのです。まるで、幽霊と対話しているような心持ちかもしれません。
求めているのは、自分を必ず守ってくれる、安心させてくれる絶対的な存在であり、その実践的な対応です。
つまり、幽霊を見て怖がっていることに対しては、一緒に怖がり困惑だけすることはしません。言っていることに戸惑うこともしません。でんと構えて、その話を大真面目に聞いてあげます。そして、それから自分が守ってあげると言ってあげます。態度でわかりやすく示してあげます。
こどもさんが欲しいのは、何にも揺らがない、包み込み安心させてくれる存在なのです。
あなたにそれが全く足りないという考えではなく、普通に接するだけでは納得がゆかない子供さんを持ったということは、そのような存在になることがあなたには必要だということであり、自分が自分の意志と意見をでんと表明し、誰の言葉も真摯に大真面目に聞き入り、その意味をあなたの心で感じ、確認し、分析し、判断し、あなたの反応を示し、あなたの意見を言う、そういうあなたになれば、あなた自身が大きく整うからです。
そして、これこそが、あなたの抱えるすべての葛藤を、建設的に、幸福的に対処できる方法だと、あなた自身が求めているものなのです。
こどもさんはいま、とても敏感で怖がりである感覚と感情が蓄積されたため、あらゆるものが怖いものに見え感じるようです。たとえその中に本当の幽霊がいたとしても、何も悪さをすることはありません。
甘えさせてあげ、こどもさんをしっかりと感じてスキンシップをはかってあげてください。時期が過ぎればそれは徐々に少なくなってゆきます。
いまのあなたは、他の人と接するときも、話すときも、それに全集中できず、考え事をしているように見られ、上の空だと相手に感じさせてしまうようです。
こどもさんの不安は、あなたの不安の投影でもあります。あなたが何を不安に感じているのかもいま向き合い、自分を生きることに自分を導いてあげましょう。あなたの安心と自分を感じる作業は、また、こどもさんへと投影されて安心へと返されてゆきます。
起きたことに対処でいないことはありません。それに対処してあげるのは、いつも自分自身です。起きることすべてにあなたを成長させる学びと気付きがあります。どうぞ安心して、本当の自分を感じ知るという安心する時間をもってくださいね。
椋木和美